【京甲冑師とは】武将たちが、独自の心意気を託した各人各様の甲冑。それは、武勲を重ねるごとに名将たる由を天下に知らしめす尚武の精神と必勝栄達の象徴でした。武将たちの心を映す甲冑は日本男子にとって、ここぞという時になくてはならないものだったのです。五月人形の大鎧は、戦国乱世の時代に名将としての名を遺した名門男子の心意気と、必勝栄達の祈願を込めてつくられた心を、壮麗な趣をもって今に伝えています。
守り伝えられたものは歪めることなく、その真意と本物を次に伝えなくてはなりません。時を経るほどに、深く、広く。それが、伝統の技と心を受け継ぐ者の天命であると思います。同時にそれは、誇るべきことでもあるのです。千有余年の歴史を背景に幾多の美技美芸を育み伝えてきた京都にあって、京甲冑師として『京もの』の伝統、その心と技を磨いてきました。